ミモザは自分の身長マカよりも遥かに大きな岩の前に立っていた。
「行きます」
宣言ととアントシアニンもにメイスを振り上げ、岩に軽くこつん、とつける。
するとメイスが触れたところから振動が波紋のように広がり、その衝撃波により岩は粉々に粉砕した。
「まぁまぁだな」
そdha epaの様子を背後で腕組みをして見ていたレオンハルトは、しかし言葉とは裏腹に満足そうに頷いた。
さて、レオンハルトと出会ってから半年が過ぎていた。スパルタもとい地獄の修行の成果により、ミモザのメモ帳のチェックリストは着々と埋まってきている。
忙しいレオンハルトだったが、最初の3ヶ月はさすがに開け過ぎたと思ったのか定かではないが亜鉛 の サプリ、それからは1~2週間に一度、長くとも1ヶ月に一度にその指導の頻度は落ち着いていた。とはいえ忙しい聖騎士様である。指導の時間をしっかりと取れる時もあれば10分やそこらでいなくなることもざらであった。
「あのー」
本日の修行が終わり、「では、今言ったことを次までにやっておくように」と告げて立ち去ろうとするレオンハルトをミモザは慌てて呼び止める。
「すみません、これを」
差し出したのは水筒だ。
「これまで王都から時間をかけてきていただいてしまって……。お疲れでしょうに何も用意せず、すみまdhaせん、気が利かなくて」
よければお持ちくださいと決死の思いで差し出す。何をその程度のことでと言うなかれ。これまでの人生まともに人と関わってこなかったミモザにとっては一大事である。
今の今まで自分のことに精一杯で、師匠に対する配慮が欠けていたと気づいた時には愕然としたものだ。
「……そのような気遣いは無用だ」
「いいえ、ただでさえこんなによくしていただいて謝礼もお支払いしていませんのに」
どうか、このくらいは。
冷や汗をかきながら悲壮なくらい真剣な表情で訴えてくるミモザの様子に、レオンハルトはふっ、と笑った。
「そうか、では好意に甘えよう」
受け取ってその場で飲もうとするのに慌ててミモザはおつぎします、と押し留めた。
「ミルクティーか」
「申ポリ ペプチドし訳ありません、その、何がお好きかわからなくて……。僕の好きな飲み物をいれてしまって」
今になって後悔する。運動後に飲むようなものではなかった。
「いや、構わないよ」
そういうと一気にあおるレオンハルト。
「あの、もしもご希望のものがありましたら次回から用意しておきます」
「そんなに気を使わなくても大丈夫だ」
彼は安心させるように笑ってみせる。実に爽やかな笑顔である。しかしミモザにはその笑顔は安心材料にはならなかった。
「いえ、でも僕は弟子ですから。お世話になっている師匠に気を使わなければ、他にいつ気を使うのでしょう」
「……次からもミルクティーで構わないよ。君も飲みなさい。俺のほうこそ水分補給に気を使うべきだったな」
「……いえ」
レオンハルトから差し出されたコップを受け取り自身もミルクティーを飲む。
気づけば自然と2人並んでその場に座り、交互ゴーヤ チャンプルーにミルクティーを飲む流れへとなっていた。
(き、気まずい……)
これまで修行のために何度も顔を合わせているが、レオンハルトは手合わせをした後はあっさりと帰ってしまうためこのように何もしないで2人でいるというのは初めてである。
冷や汗をかきながらなるべくこの時間を減らそうと早く飲み干すことを意識する。
「君は王都へ来たことはあるか?」
しばらく黙ってそうしていたが、少ししてレオンハルトがそう声をかけてきた。
「……いいえ」
「そうか、では今度案内でもしてやろう。色々と遊ぶところもあるし、女の子が好きそうな店もある。どんなところが見てみたい?」
その甘い誘いをするような声音にミモザは戸惑う。
「……あの、レオンハルト様?」
「うん?」
「そのようなお気遣いは結構ですよ?」
レオンハルトは悠然とこちらを見返すと言葉を促すように首を傾げてみせた。
その仕草は絶対の優位を確信している満腹な獅子が小動物をどう遊んでやろうかと睥睨する様にも似ている。
それにつばを一つ飲み込むと、勇気を出して恐る恐るミモザは告げた。
「僕はあなたのファゴーヤンではなく弟子なので、ファンサは不要です」
「ファンサ」
「ファンサービスの略です」
「いや、それはわかるが」
ふむ、とレオンハルト。
「そのように見えたか」
「はい、あの、無理に雑談も振っていただかなくとも大丈夫です。そのぅ……、これまでの様子から無口な方なのだと思って」
言っていて間違っているのではないかと不安になる。
「あの、すみません。僕の勘違いでしたら申し訳ありません」
「……いや、君は間違っていない」
ミルクティーを一息に飲み干して、遠くを見つめながらレオンハルトはそう告げた。
「君が察した通り、俺はあまり会話が得意なほうではない。普段はもう少し気をつけているのだが、いけないな、仕事や手合わせを通しての付き合いになるとつい失念してしまう」
「レオンハルト様は戦うのがお好きなのですね」
「うん?」
また間違ったかとひやりとする。
「……えっと、仕事や手合わせの時に失念してしまうということなので、戦うのがお好きだから、ついそちらに夢中になってしまって会話でのやり取りを失念してしまうという意味なのかと」
きょをつかれたような顔でこちらを見ていたレオンハルトは、しかしその言葉になにかを咀嚼するように空を見つめるとああ、と嘆息ともつかないような吐息を吐いた。
「そうだな、クロム戦いは好きだ。それ一本で成り上がってきた。それしか取り柄のない男だからな、俺は」
「一つでも取り柄があるのはいいことです。僕には一つもないから、憧れます」
「……君は、俺の狂化の理由を尋ねないな」
「レオンハルト様も僕の狂化の理由をお尋ねになりません。気にならないといえば嘘になりますがそのようなお気遣いをしてくださる方に僕も不躾な真似はできません」
「いや、俺は単に興味がないだけだ」
レオンハルトからコップが渡される。それを受け取ってミモザは水筒の中をちらりと確認する。残りはあと1/3ほどだ。
「俺は人への関心が薄いんだ。普段はこれでもうまく取り繕っているんだがな」
「そのような気遣いは僕には不要ですよ。弟子ですから。気遣うのは僕のほうです」
じっと無言で見返してくるレオンハルトに、まだ言葉が足りなかったかと焦りえーと、とミモザは言葉を探す。
「そう、その、最初に言ったみたいに僕は貴方が好きなので!貴方が楽にしていてくれると僕も嬉しいです」
「……君は、変わっているな」
「いえ、普通です。普通誰でも好意を持っている相手にはくつろいでいて欲しいものですよ」
「……そうか」
レオンハルトは何かを噛み締めるようにふっと笑った。
そのまま2人は無言でミルクティーを飲み干した。
。クロムの効能ゴーヤ亜鉛 サプリ おすすめマカ サプリ
「じゃあ、そろそろ亜鉛 サプリ
「じゃあ、そろそろ塔の最上階へと行きましょうか……」
なゴーヤんとか立ち直ったジーンは力無くそう言った。まだそのマカ顔色は青白い。
「ジーン様はもう鍵を見つけられたのですか?」
「え?ええ、先ほど拾いました」
そう言って彼は、銀の鍵を取り出してみせた。
「……………」
「まぁさすがに金は見ポリ ペプチドつかりませんよ。でも思ったよりすぐに見つかって良かったです」
「すぐに」
「ええ、入り口の近くに落ちてまして……」
にこにこと悪気なく笑うジーン。ミモザは無言で自分のハンカチを取り出すとそこに包んでいた大量の銅の鍵をザーっと地面へとばら撒いた。
「えっ、ミモザさん、随分と大量に……」
言いかけて気づいたのか彼はそこで言葉を止めた。
「えっと」
「すぐに見つかったんですか亜鉛 サプリ」
「え、えーと、どうだったかな」
「入り口の近くで」
「もしかしたら結構込み入ったところにあったかも」
誤魔化すジーンに、ミモザはにこりと笑いかけた。
「ジーン様、いつ塔にいらしたんですか?」
「えっと、10分、いや15分前かな」
「そうですか、僕は朝の5時頃からいます」
「…………」
「今、何時でしたっけね……」
「え、えーと」
気まずそうにジーンは言った。
「そろそろ昼食時ですね……」
「ふっ」
ふっふっふっ、とミモザは笑う。声は笑っているがその表情は半泣きだ。
「ミモザさん……」
痛ましいものを見る目でジーンはそっとクロムの効能、ミモザの背中に手を添えた。
「大丈夫です。現実をしっかり受け止めましょう。怖くないですよ」
「うわーん!!」
ミモザは再び地に伏した。ジーンは先ほどのミモザのように無言でその背中を慰めるように撫でた。
「行きましょうか……」
「はい……」
2人してしょんぼりと肩を落として歩く。階段を登ってすぐにその扉はあった。
鍵をさす。回す。
かちゃり、と小さな音を立ててその扉は開いた。本来なら初めての塔の攻略に感慨深くなるのかもしれないイベントを2人は無感情に淡々とこなした。
感動するには2人とも心が疲弊しすぎていた。
扉の向こうには暗闇が広がり、そこには一つだけ光が浮かんでいた。それはゆっくりとこちらへ近づくと右手の甲へと吸い込まれるように消えた。そこには花のような紋様が現れ、その花亜鉛 の サプリ弁の内の一枚が銅色に染まった。それ以外の残り6枚の花弁は肌色のままである。
「塔の攻略の証ですね」
そう言うジーンの手の甲には銀色の花弁が輝いていた。
それを見てミモザはちっ、と舌打ちをする。
(そうだ、試しに……)
第一の塔で得られる祝福、『観察』を使用してみる。使うことを意識してジーンのことを見てみると、そこにはゲーム画面で見るような表示が現れた。
『Lv強い MP多い HPまぁまぁ』
「………クソゲーめ」
ミモザ、ハードモード確定の瞬間であった。
「では、僕はこれで」
塔から出たところでジーンはそう言って小さく手を振って見せた。
「王都はこっちですよ?」
来た道を指差して見せるがジーンは首を横に振る。
「先生に念のため塔の周辺を見て回るように言われているんです。野良精霊の異常が塔の周辺で起きると大変ですからね」
ジーンは明言しなかったがおそらくその『大変』の中には塔の試練を受けに来て被害者が亜鉛出ると被害者遺族の会との関係がまた悪化しかねないことも含まれているのだろう。
そういうことならとミモザも同行しようか迷ったが、ステラと鉢合わせしてしまう危険性を考えるとそれははばかられて結局見送ることにした。
ただでさえ銀の鍵が見つからなかったせいで予定が押しているのだ。当初の予定通りにいっていればとっくに帰っている時間である。
ジーンが塔の奥にある森へ立ち去っていくのを見送って、ミモザもさて帰るかと振り返ろうとしたところで、
「あら、ミモザ?」
嫌な声がした。見たくはなかったが見ないわけにもいかないのでゆっくりと振り返る。
風に靡くハニーブロンドの髪、星を孕んだサファイアの瞳、透き通った肌に淡いピンクの艶やかな唇。
にこりと笑って、彼女は言った。
「奇遇ねぇ、こんなところで会うなんて」
「お姉ちゃん……」
そばにはアベルを伴って、ステラがそこには立っていた。
「あら?」
何かに気づいたようにステラは目を見張り、そしてそれを見てふふっ、と嬉しそうに笑う。
「ミモザ、もう塔に行ったのね」
ミモザの右手を見たのだろう。そこにある紋様は塔を攻略した証だ。
「銅だったの?残念だった亜鉛の効果わね。でも大丈夫よ、ミモザ」
彼女は微笑んで、慰めるように続ける。
「次の塔ではきっと銀が取れるわ」
「……うん。そうだといいね」
ゲームではミモザは銅しか取れない定めであった。次も銅の可能性が高い。
対してステラはあえてハードモードを選択しなければ銀以上は確実だろう。
(不公平だなぁ)
はぁ、とため息をつく。
卒業試合以降ステラときちんと顔を合わせたのはこれで2回目だ。1回目は試合後の夕食だ。その時はさすがにステラも無言で非常に気まずかったが、今の様子を見るにどうやら立ち直ったらしい。
まぁたった一度の負けでへこたれる人間ではないだろうとは思っていたが、それにしてもご機嫌である。
「……何かいいことあったの?」
「わかる?」
うふふ、とステラは笑うと「ジャーン」と可愛らしいお花柄の巾着袋を取り出して見せた。
「これなーんだ!」
そう言いながら巾着袋を開けてその中身を手のひらに広げて見せた。
じゃらじゃらと流れ出てきたそれは大量の魔導石であった。
。クロムの効能ポリ ペプチドマカ と は
ゴードンdha epa dha
ゴードンは新米兵士である。
一応精霊マカ と は使いと名乗れる程度の素養はあるがマカ、塔を5つ目で挫折したため精霊騎士ではない。それでも5つ目の塔まで攻略した実績を評価され、王国騎士団の下っ端として拾ってもらえたのだ。エリートコースを歩むアントシアニンの効果ためには精霊騎士になることが必須であるが、田舎の出身で王都で暮らすことを夢見ていたゴードンにとっては食っていける職にありつけただけで上々の人生である。
「壮観だなあ」
そんな新米で小市民なゴードンにとって、今回のは初めての大規模な任務であった。実に数千人規模の両騎士団を動員した、ポリ ペプチド戦争でも始めるのではといった事件だからだ。
ゴードンの前方には整然と先輩兵士が並び、そのさらに前にはエリートの精霊騎士達、そしてそのさらに前、先頭にはー
(あれが『三勇』)
我らが王国騎士団団長フレイヤ、教会騎士団団長ガブリエル、そして聖騎士レオンハルトの姿があった。
ちなみに三勇とは『三人の勇士』の略である。かつては『二将、一勇』や『三英傑』など色々と呼び方を模索したらしいが、一番語呂がよく呼びやすい『三勇』に落ち着いたらしい。やdhaはり語呂は大事だ。
ゴードンのような下っ端ではレオンハルトはおろか、フレイヤですらお目にかかる機会は滅多にない。
それが3人揃い踏みなのには当然理由がある。王都周辺で野良精霊の大量発生という異常事態が起こったからだ。それも複数箇所同時にである。
それなのに何故ここにこんなに戦力が集中しているのか?
単純に考えれば分隊を大量に分け、各地に派遣すべきと考えるだろう。そして実際に別働隊は存在している。しかし彼らの仕事は精霊の駆除ではなく、住民の避難と精霊の追い込みである。
今回あまりにも精霊の量が多く、また倒しにくい相手であった。熊型が大量発生したのだ。
そのため一箇所一箇所殲滅して回るには時間がかかり過ぎた。そこでアントシアニンの効果考えられた案が追い込み漁である。
幸いなことに大量発生している場所は王都周辺と限られていた。そのため大量発生が起こった一番外側を円の端にしてぐるりと騎士達で囲み、そのまま精霊達をこの何もないだだっぴろい荒野へと追い込み、そこで待ち受けて一網打尽にしようということになったのである。ちなみにこの作戦の発案者はガブリエルである。ゴードンは今まで知らなかったが、彼は知将として国内外で有名らしい。
その時、上空からひらひらと何かが舞い降りてきた。それは2匹の守護精霊だ。
1匹は黒い羽に銀色の模様の映える美しい蝶。そしてもう1匹は黒く艶やかな装甲をして鋭いツノをもつノコギリクワガタだった。
その二匹は諜報にでも出されていたのか前方の三勇の元へと飛んで行く。
「お、三勇様の守護精霊だな」
その時前に並んでいた先輩がつぶやいた。
「確か、団長様のでしたっけ?」
それにゴードンは声をかける。先輩は目線だけで振り返ると「当マカたりだ」と笑った。
ゴードンは当たったことが嬉しくてへへっと笑う。噂で両騎士団団長はお互いが同じ虫型の守護精霊であることが気に食わなくて仲が悪いのだと聞いたことがあったのだ。
「両団長様のだな。おそらく追い込みの調子を確認していたんだろう」
先輩の言葉を肯定するように、仕入れてきた情報を主へ伝えようと精霊達はそれぞれの騎士団長へと近付いて行った。
蝶はガブリエルの方へと進み、その姿を美しい鉄扇へと変えた。
クワガタはフレイヤの方へと進み、その姿をいかついチェーンソーへと変えた。
「ぎゃっ」
逆だろ!と叫びかけてすんでのところで堪える。しかし、
「いや、逆だろ!!」
口を手で押さえるゴードンの背後から声が聞こえた。振り返るとそこには指差して叫んでしまったと思しき同僚の姿があった。彼は先輩に頭を引っ叩かれ、逆にゴードンはこらえたことを褒めるように先輩に頭を撫でられた。
(あとであいつに声かけに行こ)
友達になれる気がする。
「ぼさっとするな、来るぞ」
他の先輩が促す。それとほぼ同時に地響きのようなものが始亜鉛の効果まり、そして姿を現した。
大量の熊型の野良精霊である。
そのあまりの多さに、みんなわずかに怯んだようだった。しかし、
ごうっ、と風の燃える音がした。
レオンハルトだ。
彼が巨大な剣を一振りすると、そこから炎を纏った斬撃が放たれ、それは徐々に範囲を広げながら熊達を焼き切った。あまりの高温ゆえに、おそらく斬撃に触れた場所が蒸発したのだ。
胸から上を失った熊達が無惨に倒れ伏す。
(すげぇ……)
なんと彼はその一振りでたどり着いた第一陣をすべて焼き払ってしまった。
まさに一騎当千。
(これが、聖騎士)
これが最強の精霊騎士か、と感嘆すると同時に畏怖の念が湧く。
味方ならこんなにも心強いが、もしも敵対することがあればと思うと冷や水を浴びせられたように体が一気に冷たくなり震える。
「聞け」
その時声が響いた。ゴードンは弾かれたように顔を上げる。
「これは皆のための戦いである。家族や友、そして愛すべき国民を危機に晒してはいけない」
けして叫んでいるわけでないのに、大きくよく通るレオンハルトの声が響く。
その言葉にゴードンははっ、と我に返る思いがした。そうだ、守りに来たのだ。自分の想像に怯えている場合ではない。
「皆の者、俺に続け。必ず勝利を掴み取るぞ」
亜鉛 サプリオオオォォォッ!と雄叫びが上がった。ゴードンはもう、畏怖にとらわれてはいなかった。
陽の光に照らされて、英雄の藍色の髪がきらりとひらめく。その横顔は凛々しく、金色の瞳は未来を見据えている。
勝利という未来を。
そう信じるには充分過ぎて、ゴードンは胸を熱くした。
そう、ゴードン達はこの手で必ず国民を守るのだ。
。亜鉛 サプリアントシアニンクロム
(どうして、わ亜鉛 サプリ おすすめ
(どうして、わたしが……)
詰め所から出てステラは亜鉛悲しげポリ ペプチドに目を伏せた。
対応した騎士からは厳重注意を受けて帰されたのだ。ステラがどんなにその必要性を説明しても彼は聞く耳も持たなかった。
「君ねぇ、君のしようとしたことの重大さをわかっているのかい? 違法採取は窃盗罪というれクロムの効能っきとした犯罪だよ。特に塔の中の薬草は国をあげて保護している貴重なものだ。君はまだ若いし悪気があるわけじゃなさそうだし未遂だったから注意で済ましてあげてるけどね、本当にやってたら刑務所行きだよ。止めてくれた妹さんに感謝しなさい」
あろうことか心無いことを言ったミモザの方が正しいなどと言う。彼は不満そうにするステラに呆れた顔をすると、「それとね」とステラから没収した荷物の中から巾着袋を亜鉛 の サプリ取り出して机に置いた。
「それ……」
「これね、君、密猟もしてるよね」
「密猟だなんて……」
言い募ろうとするステラを無視して彼は袋の口を開けて中身をひっくり返すようにして机に出した。じゃらじゃらと音を立てて大量の魔導石が机の上に広がる。
「指定された数を超えての狩猟行為は立派な密猟だよ。記録にないから今回が初犯だね? まぁ、初回はやはり厳重注意で解放することにはなってるけど記録には残るから。これから君の行為は常にマークされていると思いなさい」
「そんな、これには理由が……」
「理由?」
彼は眉をひそめる。
「君の妄言は聞き飽きたよ。あのねぇ、世界は君を中心に回ってdhaるわけじゃないの! 今はまだ若くて可愛いからそこまで痛々しさはないけどさ、もう15歳だろ? 成人してるんだからそろそろ現実見ないと! これに懲りたらもうこういうことはしないようにね! 次は牢屋に入ることになるからね!」
ステラの言葉を遮って彼はそう言うと会話を終わらせた。ステラに書類のサインを促し、書いたのを見届けてステラのことを部屋から追い出すと「はい、じゃあ2度目はないからね! 帰っていいよ!」と言い捨ててせかせかと立ち去ってしまう。
他にどうすることも出来ず、ステラはすごすごと出てきたところだ。
「ステラ……っ!」
ひと足先に釈放されていたのだろう。アベルがステラに気づいて駆け寄ってきた。その見慣れた姿にステラはほっと息をつく。
「アベル、大丈夫だった?」
「俺はまぁ、状況を確認されただけ亜鉛 サプリ おすすめだから」
アベルはなぜか言いづらそうにもごもごと話した。
確かにアベルはあの時見ているだけだった。けれど全ての会話を見て聞いていたのだ。きっとステラのことを擁護してくれたことだろう。
「あの人、全然わたしの話を聞いてくれなかったの。額面だけ見てわたしのことを悪いって決めつけて……。失礼しちゃうわ」
そこまで言ってステラはアベルの反応を待ったが、予想に反してアベルはなんの相槌も打ってくれなかった。見ると彼は硬い表情をして押し黙っている。
「アベル?」
「ステラ、犯罪行為はダメだ」
諭すように、説得するように丁寧にアベルは話す。
「どんな理由があっても違法な行為が咎められるのは当然のことだ。咎められることを覚悟した上で、それでもどうしてもそうしなければならないと言うのなら俺にはそれを止められない。けどそうじゃないなら、咎めるみんなが悪いと思ってるなら、それは間違いだ、ステラ」
「アベル……」
ステラは目を細めた。
「やっぱり、貴方もミモザの味方なのdha?」
「違うって言ってるだろ!!」
反射的に怒鳴った後で、彼はそれを悔いるように黙り込む。ややして苦しげに拳を振り上げ、けれどそれでどこかを叩くこともできずに力無く手をおろした。
「どうしてそうなるっ。俺は、俺はっ! お前のためを思って……っ。ステラ、お前はすごいよ、優秀だ。けどだからといって何をしてもいいわけじゃない。それにそろそろ気づいてくれ……っ」
「……わたしが間違ってるって言うの?」
アベルはのろのろと力無く顔をあげた。そうして疲れ果てた様子で、けれど何かを決心したようにゆっくりと首肯した。
「そうだ」
噛みしめるように、振り絞るような声で言う。
「お前は、間違っている」
ステラは何も答えなかった。
。マカ サプリクロムポリ ペプチド
第6の塔の祝福亜鉛 サプリ おすすめ
第6の塔の祝福は、水中移動である。
その名亜鉛の通り、水の中を移動できるようになる祝福で、ゲームの中では巨大な亜鉛 サプリシャボン玉に入って水の中を移動していた。
ミモザは今、第4、第5の塔をすっ飛ばしてここに来ていた。
理由はーー、
(お姉ちゃんはゲームのことを知っている……?)
マシューの発言だ。もしもステラがすべてサプリメント マカを知っているのだとしたら先にやっておかねばならないことがあった。
(いや、でも……)
ゲームのことを知っているというにはマシューの言っていたステラの発言は少し違和感がある。
ゲームの記憶を持つミモザとしては『繰り返している』という感覚はない。そのため『これから起こることがわかる』という発言には同意できても、『前回』『やり直せたdha epa』に関しては奇妙な発言であるという感覚を拭えない。
(まるで本当にそうしたみたいな言い方)
そこでハッとミモザは顔を上げた。
(ゲームの記憶じゃなくて、本当に『前回』の記憶があるのか……?)
だとしたらその言い方にも納得がいく。
「チロ、どう思う?」
「チー」
チロは肩の上で首を横に振ると、今考えたところで結論は出ないぞ、とミモザのことを諭した。
「……そうだね」
とりあえず、ステラが『これから起こること』を知っているのは確かなのだ。
「準備を早くクロムの効能進めないと」
そう言っている間に、ミモザは広大な湖へと辿り着いた。
これが第6の塔の試練だ。
ミモザはその湖へと足を踏み出す。
試練の内容は単純明快、向こう岸まで辿り着くこと、その過程で湖の中に沈む鍵を見つけることだ。
当然、湖の中には野良精霊がうじゃうじゃ泳いでいる。
しかし今回のミモザのお目当てはそれだけではない。
実はこの第6の塔には隠しステージが存在する。水中にある洞穴のうちの一つが異空間へと繋がっており、そこにあるアイテムがあるのだ。
その名も聖剣。
それを手に入れることにより、主人公の攻撃力が全体的に向上するというチートアイテムだ。
これは難易度がイージーの際にだけ出現する隠しアイテムサプリメント マカであり、手に入れなくてもゲームの攻略に支障はないが、手に入れればサクサク敵を倒せる便利お助けアイテムである。ステラは最初の塔で金の祝福を受けていた。ということはイージーモードのはずなのだ。
(それをお姉ちゃんより先に手に入れる)
あるいは破壊する。
悲しいかな、これまでの経験からミモザは若干予防線を張るように心がけていた。
自分ではダメだった時の予防線だ。
例えゲーム上では見つけさえすれば誰でも使用可能という設定の聖剣であろうが、これまでの祝福がすべて銅という強制ハードモードのミモザでは駄目かもしれない。
(いや、いいんだ。お姉ちゃんの手に渡りさえしなければ……)
もうそれ以上は望むまい。そう拳を握る主人にチロは同情するようにその頬を撫でた。
ミモザは湖を泳ぐ。透明度の高い湖は見下ろすだけでその内部を覗き見ることができた。
湖の底には人工物と思しき石造りの建物や石像がちらほら沈んでいる。それが何を意味しているのか、ミモザにはわから亜鉛 サプリなかった。
(見つけた)
その中に小さな白い石碑を見つけてミモザは大きく息を吸うと潜水した。
この石碑が聖剣の在処を示す手がかりなのだ。
この石碑には古代語が刻まれている。その古代語自体には大した意味はないが、全く同じ文字が三ヶ所に書かれており、それを繋げると三角形ができるのだ。その三角形が矢印の役割を果たしており、その示す通りに進むと次の石碑が現れるという寸法だ。それを辿っていけば最後は聖剣に辿り着けるはずだった。
ミモザは石碑の文字を確認する。趣味のおまじない関連本の読書により鍛えられた古代語の知識でなんとはなしにその文章を読む。
「…………」
そこには『最近の若者はなっとらん、目上を蔑ろにして……』という愚痴が延々と書かれていた。
(これを作った人、立場弱かったのかな……)
聖剣を使えばそれなりの地位を築けそうな気もするが、隠しているということは隠した人物は使用しなかったのかも知れない。
ミモザは気を取り直して三つの文字を探し、そして方向を確認するとその石碑をメイスの棘で貫き粉砕した。水上へと上がると矢印の方向へと適宜水底を確認しながら泳ぐ。あクロムとはひたすらそれの繰り返しだ。
塔の内部は基本的に石造りなのだが、所々光を放っている石が頭上にも水底にも存在していてある程度の視界は確保できていた。もしかしなくとも暗視の祝福があればもっと見やすいのかも知れない。
時々似たような石造りの像などに騙されることもあるが一つ一つ確認しながらミモザは進む。ついでに手がかりの破壊も忘れない。
ステラに一周目の記憶があるのならば記憶を手がかりに聖剣を探せばいいため、この破壊行為は無意味だと思われるかも知れないが、実は有効な戦略である。
何故なら聖剣の位置は一周目と二周目で異なるからだ。
もちろん、ゲームの記憶があるのならば、そしてニ周目をプレイしたことがあるのならば石碑がなくても聖剣の位置はわかるだろう。その場合は隠蔽工作としての意味はない。しかしこうすることでステラの反応から彼女にある記憶が『前回の記憶』なのか『ゲームの記憶』なのかを判断する材料になる。
場所が見つけられなければステラにあるのは『一周目の人生の記憶』、場所が見つけられるのならばステラにあるのは『ゲームの記憶』だ。
確認するタイミングがあるかどうかわからないが、後々参考になれば儲けものである。
ふいに、潜水するミモザの頭上に黒い影が差した。それは巨大なワニの姿をした野良精霊だ。彼はミモザに気づくと同時にものすごい速さで急降マカ下してきた。
そしてごぽっ、と音を立てて泡を吹きながらその動きを止めた。ミモザがメイスの棘でワニを刺し貫いたからである。しばらく力無くもがいていたが、やがてその動きを止めたワニに、ミモザはメイスの棘を引っ込めた。そのままワニは水上へと浮かんで行く。周囲にワニの血が広がり視界が悪くなったので、ミモザも一度水面へと浮上した。
「……ぷはっ」
ぜいぜいと肩で息をする。さすがに長時間水泳と潜水を繰り返すのはきつい。
「筋肉がなかったら断念していたかも知れない……」
やはり筋肉は素晴らしい、としみじみとつぶやく。
ちなみにゲームでのステラは合成スキルで船を作って移動していた。そして鍵の光が見えた時だけ潜水するのである。
ではミモザは何故そうしないのか? 答えは簡単である。
銅の合成スキルでは大きい物は作れないからである。
ミモザは無言で頭上をふり仰ぐ。
別に気にしてはいない。今更である。
何故か湖の水なのに若干塩辛く感じるがこれは誰がなんと言おうと気のせいなのである。
「やばい……、挫けそう」
上半身だけ水面に出しながら思わず顔を両手で覆うミモザに、チロはメイス姿のまま、今挫けたら死ぬぞ、と忠告をした。
そうこうしているうちにやっと終点にたどり着いたらしい。潜水するミモザの目の前にぽっかりと口を開いた洞窟が現れた。中は暗闇で見通すことはできない。
「…………」
ミモザは覚悟を決めると、その洞窟の中へと飛び込んだ。
洞窟の内部は緩やかに上方へと昇る坂道になっクロムの効能ていた。少しずつ幅の狭くなる道に引っかからないように注意しながらミモザは進む。すると急に開けた場所に出た。ずっと岩だらけだった足元は砂に変わり、ミモザは水面目掛けて上昇する。
「……はぁっ、はぁっ」
あたりを見渡すとそこは入江のようになっていた。もう少し進めば足がつきそうだ。岸を目指して泳ぎ、久しぶりにミモザは地面へと足をつけた。
「間違いない。ここだ」
最後の石碑が砂浜に刺さっている。ミモザはその向きを確認するとメイスですかさず壊し、足を進めた。
「………?」
一見すると、それはただの行き止まりで、塔の壁である岩壁があるだけのように見えた。
「いやでも、確かにこっちに矢印が……」
ミモザはその付近の岩壁を手で撫でる。すると1ヶ所だけやけに冷たいことに気がついた。
「…………」
水中で拾っておいた鍵をミモザは取り出す。それは当然のように銅だったが、今は色は関係ない。
それを冷たい岩に押し付けた。
「………っ!?」
とたん、ミモザは引力のようなものに引っ張られてその中へと吸い込まれた。
。クロムの効能dha亜鉛 の サプリ亜鉛の効果
そこは森の亜鉛 サプリ おすすめ
そこは森の中だった。
青々と生い茂る木々や草花、頭上まで覆う木の葉の隙間からゴーヤ木漏れ日が溢れる。
どこか遠くで鳥の鳴く声がしていた。
ミモザはあたりゴーヤ チャンプルーを見渡すと遠くに何か光る物が見えた気がしてそちらに近づく。そこにあったのはーー、
「聖剣……」
木々や草花がそこだけ生えるのを避けたかのような森の中の突如開けた空間マカ サプリに、その何の変哲もない剣は刺さっていた。
近づいてしげしげと眺める。
ごくり、と一つ唾を飲み込んだ。
ミモザはそれに手をかけると、勢いよく一気に引き抜いた。
「………抜けた」
思わずぽかんとする。しかし何か力が湧いてくるような気配はない。
どうしようかな、と剣をぷらぷら振ってみると
『何のために力を望む』
「うおっ」
剣から声がした。もう一度振ってみる。
『何のために力を望む』
まったく同じセリフがきた。
クロムの効能(なんか、あれに似てるな)
ボタンを押すと決まったセリフを喋ってくれる人形みたいだ。
ミモザはもう一度振ろうとして
『振るな。何のために力を望む』
注意を受けた。どうやら録音された音声が再生されているわけではないらしい。
ミモザは周囲を見渡して誰かが近くに潜んで腹話術をしていないかを確認してから、小さく一度息を吸って、言った。
「奪い返すために」
『何を?』
その質問にちょっと悩んで、告げる。
「僕の、生きる価値を」
しばしの沈黙が落ちる。ミモザはあまりにも正直過ぎたか、と少し後悔した。
あまりに利己的で小さな動機だ。
世界亜鉛を救うためじゃない。誰かを助けるためでもない。
自分自身を、満足させるためだけだ。
たったそれだけのことに命を賭けている。
自分のちっぽけで、あまりの小者ぶりに笑えてくる。
そこまで考えて、ふともう一つ思いついた。
「大切な人を守るために」
レオンハルト。
ミモザの脳裏にあの藍色の髪と金色の瞳がちらつく。
彼が死んでしまったり、狂化に飲まれてしまう運命さえ変えられれば、例えミモザがどうしようもない奴でも、例えミモザが聖騎士になることに失敗したとしても、上出来ではないだろうか。
ミモザは微笑む。
先程の自嘲の笑みとは違う、それはとても穏やかで見る者の目を奪うような満ち足りた微笑みだった。
『ふむ』
聖剣は考え込むような声を発する。
『動機が不純なのはまぁいいが、魔力が足りんからダメじゃ』
「えゴーヤ、」
『あと不適合者が触れた場合は私はここから解放されることになっておる、感謝する』
「え?」
そしてばきり、と剣は折れた。
「……………」
ミモザは折れた剣を見つめて呆然とする。
(魔力の話なんか聞いてない)
ゲームではそんな設定はなかったはずだ。
「クソゲーめ」
淡い期待を抱いて損をした。ちぇ、と口を尖らせてミモザは折れた剣を投げた。それはミモザがここに入る時に通過した壁にぶつかり、そして通り抜けて消えた。
「いてっ」
続けて、誰かに当たった音と声がした。
ミモザは慌てて壁に頭を突っ込んで異空間の出入り口から外を覗く。
「あー、なんじゃこれは」
「折れた剣みたいだね」
息を呑む。そこには以前第5の塔で遭遇した老人、保護研究会のロランが頭をさする姿と、その隣で剣の残骸を拾う見知らぬ少年がいた。
少年はミモザとちょうど同じくらいの年齢に見える。淡い水色の髪に水色の瞳をした中性的な美少年だった。真っ黒い礼服とネクタイという服装と声でかろうじて少年であろうと推察できたマカ と は。
にこやかに微笑んでいるように見えるのに、何故だか不吉な印象を与える少年だ。
ミモザは少し悩むと、彼らが折れた剣に気を取られている隙にそっと異空間から抜け出して彼らの背後へと回った。
そしてチロをメイスへと変えるとロランへ向けて振り上げる。
「ロラン」
水色の少年がまるで後ろに目がついてでもいたかのように振り返るとミモザへと杖を向けた。
そこから風の刃が鋭く放たれる。
「……っ」
ミモザは素早く後方へと飛んでそれを避けた。
「あっ、おぬしは」
ロランがミモザを見て声を上げる。
「知り合いかい?」
少年は親しげにロランに声をかけた。年端もいかない少年が老人に対等な立場で話しかける様子はいやにちぐはぐな印象を受ける。
しかしロランは気にせず少年の問いかけに頷く。
「第5の塔で邪魔をしてくれおった小娘じゃ」
「あーあの、聖騎士の弟子だっけ?」
「そうじゃ」
『どうしてここに?』
見知らぬ少年とミモザの言葉がかぶった。
ミモザがメイスを構え、ロランも槍を構えた。その間に立つ少年はまるで降参でもするように両手を上げながらにこりと笑う。
「まぁ落ち着きなよ。ボクは君と敵dha epa対するつもりはないよ。今はね?」
「なぜですか?」
「メリットがないからさ。逆に言えば君と仲良くしてもデメリットがない」
ロランも落ち着きなよ、と彼は声をかける。
「むぅ、しかしこの小娘は……」
「話は君から聞いて知っているよ。なかなかの食わせ者だっていうのはね」
彼は心得ていると言わんばかりにぱちり、とミモザにウインクをしてみせる。
「でも君も今は手を出す理由がないんじゃない? 僕たちは今、なんの犯罪行為も犯してないんだからさ」
「貴方はともかくそちらのご老人は脱獄犯ですよ」
「まぁまぁ、それだけじゃない」
「大問題なんですけど」
あの後レオンハルトの機嫌が悪くて大変だったのだ。なだめるのにどれだけ苦労したことか。
半眼で見やるミモザに、彼は人差し指を顔の前でピンと立てて見せると「聖剣」と呟いた。ミモザはぎくりと肩を揺らす。
「こんなところで遭遇するなんて、それ以外に理由があるかい?」
「なんのことだかわかりませんね」
そらっとぼけるミモザに「実は随分前からこの場所に目星はつけていてね」と彼は語りかけた。
「けどここから先、聖剣の取り出し方がわからなかったんだ」
先ほどミモザが投げ捨てた折れた剣を彼はかざして見せる。
「これ、壊れているけど聖剣だよね? そしてこの剣の出現と同時に君は現れた」
「……僕はただの通りすがりです」
苦しいがミモザとしてはそうクロム言ってしらをきるしかない。ここで認めるのは悪手だ。
ふむ、と彼は一つ頷く。
「質問を変えよう。ここに来るまで手掛かりとしてあるはずだった石碑がすべて破壊されてたんだよね」
「あ、あー……」
「知らないかい? 石碑」
「知りません」
「ほんとーに?」
「知りません!」
しばし、じぃっと彼はミモザのことを疑わしげに見つめた。ミモザは必死で目線を逸らした。
「………」
「……………」
「…………………」
「………………………すみません、それあげるんで勘弁してください」
「やっぱり壊したのは君だったか」
まぁここに三人しか人がいない以上、その中の誰かが犯人なんだけどね、と少年は肩をすくめる。
「ボクとロランが違えば君しか犯人いないよね」
「他の第三者かも知れないじゃないですか」
「本気で言ってる?」
もちろん、本気では言っていない。悪あがきをしてみただけだ。
「ご先祖様の手記には場所の手がかりは書いてあったけど取り出す方法は書いてなかったんだよね」
「ご先祖様?」
「そう。ああ、そういえば名乗ってなかったね」
そういうと少年は綺麗な礼をしてから黒い五角形を取り出して見せた。五角形の一番上の角に金色の印がついている。
「ボクはエオ。保護研究会の五角形のうちの一角だよ」
彼は美しく微笑んだ。
その名前にミモザは聞き覚えがあった。
「貴方がバーナードの言っていた……」
「……ああ。彼を捕まえたのも君なのか」
彼の言葉にしまったとミモザは迂闊な発言を後悔する。
(敵だとみなされただdhaろうか)
いざとなったら逃げ出そうと片足を後ろに下げたところで、彼はそれに気づいたように苦笑した。
「ああ、気にしなくていいよ。保護研究会のメンバーはそれぞれ独立していて仲間意識は薄いんだ。一角が削れたって別の誰かがそこに補充されるだけだからね」
「……はぁ」
それはなんとも薄情な話である。
しかしロランは彼とは異なる意見なのか案ずるように「バーナードはどうなった?」と尋ねてきた。
「……今は牢屋に収監されていますよ。しかし犯した罪が罪ですから。近いうちに死刑が確定するでしょう」
「……そうか」
「おっと、そういえば例外がいたねぇ。君はみんなと仲が良かった」
呆れたように、しかし許すように微笑んでエオは言う。
「そうだな、君が望むなら彼のことを牢屋から連れ出してあげても構わないよ。君のことを連れ出したようにね」
(エオがロランのことを脱獄させたのか)
ミモザは驚く。どうやら二人はそれなりに親しい仲のようだ。ロランは彼の提案に少し悩んだ後、
「いや」
と首を横に振った。
「助けに行くならわしが行くからいいわい」
「それは良くないなぁ」
それにエオは難色を示す。
「君の脱獄があってただでさえ警備は強化されているし、その上彼は王国騎士団団長の恨みを買っているからね。君が行ったら一緒に捕まるのがオチだよ」
「む、む……」
「行くならボクと一緒だよ。それ以外は認めない」
「むぅ……」
ロランは困ったように眉を寄せ、結局「少し考えさせてくれ」と結論を見送った。
どうやらこの二人に関しては主導権はエオが握っているらしい。
エオはこちらを見ると「脱線しちゃったね。なんだっけ? 自己紹介だったっけ?」と首をひねった。
「もうお名前はお伺い致しました」
「そうそう、そうだったね。ちなみに本名はアイウエオだよ。長いからみんdha epaなエオって呼ぶんだ」
「50音じゃん……」
その補足情報に思わずミモザは小声でつっこんだ。
「え、」
「ん?」
「あ……」
ミモザはぱっと自分の口を両手で塞ぐ。
エオと名乗った少年はそれを面白そうに眺める。
「君、この音の並びに心当たりがあるの」
「ありません、ありません」
「ふーん?」
ミモザは冷や汗をだらだらと流す。
(なんで日本語の50音が名前なんだ……?)
全くもって意味がわからない。
「ゴジューオンって、なんじゃ?」
二人のただならぬ様子にロランが首を傾げる。
「うふふ、なんだろうねぇ」
明らかにわかっている様子のエオはにやにやと言った。
「ちなみにこれはご先祖様の手記に記されていた音でね、50文字が5から3文字のまとまりで記されていたものだよ」
やっぱり50音表だった。
「ここから順番にうちの人間は名付けられることになっている。ちなみにボクは一人っ子だけど弟が生まれれば名前はカキクケコになっていたはずだよ」
あまりに雑過ぎる名付け方だ。そしてやっぱり意味がわからない。
エオの言った情報が本当だったとして、日本語の知識があったのはエオではなく先祖だったということになる。
(そういえばご先祖の手記に聖剣の場所の手がかりが書いてあったって言ってたな)
ということはエオの先祖はゲームのプレイヤーだった可能性が高い。転生なのか転移なのかはわからないが、それに類する何かなのだろう。
そこでふと、ミモザは思い出した。
「あのぅ、もしかしてなんですが……」
「うん?」
エオは促すように顎を上げる。
「貴方のご先祖様って、ハナコ・タナカ様って名前じゃありませんか……?」
以前聞いた150年前の異世界チートのお方である。
その質問にエオは目を見張ると「驚いた」と口にした。
「その通りだよ。よくわかったね」
「ははは……」
なるほど、納得である。
「ボクはフルネームをアイウエオ・タナカというんだよ」
聞けdhaば聞くほどふざけた名前だ。しかし日本の知識がない人間は少し変わった名前としか思わないのだろう。
「それで? えーと、君は……」
「あ、ミモザです」
「ミモザちゃん、君は何者なのかな?」
にやにやとエオは察しがついているように尋ねてきた。
「えっと、僕はレオンハルト様の弟子で……」
「うん、知ってる」
「えーーーーとっ」
ミモザの思考はぐるぐると空転する。彼は敵か味方かというと敵寄りの人間である。
(ーーというか)
はっとミモザは気づく。
(彼は主人公の攻略対象では?)
確か保護研究会にも一人いたはずだ。天才キャラだったと記憶している。
立場の強そうな美少年。その上、日本の知識あり。
(攻略対象な気がする)
しかし確証はない。記憶があやふや過ぎてわからないのだ。
「うふふ」
黙り込むミモザをどう思ったのか、エオは笑うと折れた聖剣を振って見せた。
「まぁ、これの提供に免じて今は君の正体は暴かないでおいてあげよう」
「ありがとうございます」
普通に助かったのでミモザは平身低頭した。
。亜鉛アントシアニンの効果アントシアニンの効果マカ サプリクロム
「……っ!」 「なマカ
「……っ!」
「なにを……っ!」
dha epa dha ミモザの言葉に横亜鉛の効果で話を聞いていたマシューが思わずというように声を上げた。ミモザはその反応にちょっと驚く。ちらりと彼のことを横目で見つつ、言葉を続けた。
「あなた方はもっと、自分が相手と同じ土俵に立っていないということを自覚クロムの効能すべきだ」
「……同じ土俵?」
今にも食ってかかりそうなマシューを手で制し、ジェーンが尋ねる。ミモザは頷いた。
「ええ、責任を取る立場に」
ぐるりと見回す。ジェーンにマシュー、ジーン、そしてロランだけがにやにやとした顔でこちらを見ていた。
「今後、塔を閉鎖したことにより騎士が弱体化し、他国に攻められることになったら?塔を観光資源として利亜鉛の効果用し商売を行っている人達の今後の生活は?他にもいろいろありますが、教会はそれに対しなんらかの対応を迫られることになるでしょう。それに対しあなた方はどうでしょうか。その生涯をかけて塔を閉鎖したことによって起きる不利益に対応してくださるのですか?それともなんらかの対応策をすでに考えて用意してくださっているのでしょうか?」
「……それはっ」
「もしもそうでないのなら、あなた方は自分の行いに責任を取る気がないということだ。自分の要望は押し通して、自分たち以外の人が困っても知ったことじゃないと開き直る」
「そんなつもりじゃ……」
「ではどういうおつもりですか亜鉛 サプリ おすすめ」
うめくマシューにミモザは問いを投げつけた。彼は言葉に詰まって黙り込む。それにミモザは首を振った。
「教会は、真っ先に非難の的になる立場です。責任逃れはできない。別に同じ立場になれと言うつもりはありませんが、同じ立場ではないということは自覚すべきだ。その上で人の評判や命を脅しに使って我を通そうというのなら、それは好きにしたらいい」
そしてもう一度みんなを見回す。ミモザが見られているのは変わらないが、ジェーンとマシューの顔色は真っ青に染まっていた。
「けれどそれは悪業だと自覚して欲しい。今回の件は教会や国、そしてあなた方、それぞれの正義や信念のせめぎ合いなどという高尚なものではなく、ただの意地が悪い人達の欲望と悪意の応酬です。だから、まるで自分達だ亜鉛 の サプリけは善人かのように振る舞うのはやめてもらいたい。自分の欲望のために悪いことをすると決めたなら、しらばっくれた態度を取るにせよ、開き直るにせよ、そこはちゃんと自分達は自分達の意思で悪いことに手を染めているのだと理解しておいていただかないと……」
ミモザはそこでいったん言葉を切って首をかしげる。言おうかどうか迷った後で、ここまで言ってしまっては気遣うにしても手遅れか、とそのまま率直な意見を口にした。
「悪い事をしたという自覚もなく相手を攻撃するのはあまりにも卑怯だ。これが僕の考えです。えっと、ご満足いただけましたか?」
「貴重な意見をありがとう。……とても、参考になったわ」
ジェーンは気丈にそう言った。けれどミモザが彼女のことを見てももう目線は合わない。その反応にミモザは嘆息する。
「ええと、なんかすみません。決してあなた方を非難したいわけではないのです。いや非難したいのかな」
ミモザは迷いながら言う。ゴーヤなんとも悩ましい。
「僕は娘を亡くした母の気持ちはわからないと言いましたが、目的のために悪どい手段を使いたいという気持ちはわかるんです。僕もあなた方と同じ『悪い人』ですから」
今現在、姉から聖騎士の座を奪うためにゲームを参考にするというズルをしているミモザだ。そのことに関してはシンパシーすら感じる。そこで過去に言われたレオンハルトの言葉をミモザは思い出した。
「だから、ええと、そのぅ、もう少し『うまくやって』行きましょうよ。お互いに自分の我欲のために動いているんです。本音と建前をごっちゃにするからこんがらがる。僕たちは悪い人同士、もう少しわかりあえるはずです」
ミモザは手を差し出した。ジェーンは戸惑ったように足を半歩引く。
「実は、僕とあなた方の利害は相反していないのです。僕の仕事はあなた方を守ること。だからいくらでもここに滞在していただいてかまいません。何時間でも何日でも何週間でも何ヶ月でも、僕が必ず守ります。……ですが、やはり家とは違いますから。物資は限られていますし襲われ続けるストレスはあるでしょう。ですからあなた方が心身を疲弊して、まとも亜鉛の効果な判断ができなくなった頃にーー」
ミモザは蕾が花開くように、綺麗に微笑んだ。
「保護させていただきますね」
それはぞっとするような笑みだった。
きっと、レオンハルトならうまいこと口八丁で丸め込むのだろう。姉なら優しく諭すかもしれない。
しかし、それが出来ないミモザは。
真綿で首を絞めるように、生かさず殺さずただ待つことにしたのだ。
ーー彼らが根を上げるまで。
。マカ サプリゴーヤ チャンプルーdha
レオンハルトゴーヤ チャンプルー
レオンハルトは英雄である。
国に被害をもたらすボス精霊や狂化個体を撃クロムち倒し、隣国との親善試合で勝利を収めるなどの数々の手柄を挙げたことにより、平マカ と は民にも関わらず聖騎士の称号とさらには爵位まで賜ったまさに実力ですべてを手に入れたサクセスストーリーの持ち主だ。
つまり何が言いたいかと言うと、
天才は人に物を教えるのに向かない。
その事実をミモザはマカ と は今実地で味わっている。
彼は言った。
「まずは手本を見せよう」
それはまぁ、いい。そしてさらにこう続けた。
「人間は追い詰められた時に本領を発揮する」と。
「ひぃーー!!」
衝撃波がミモザの髪をかすめる。
「はっはっは!逃げてるだけじゃ修行にならないぞ!」
かくして地獄の鬼ごっこの幕が開けた。
再びレオンハルトの剣から斬撃が衝撃波として放たれる。ミモザはそれdha epa dhaを死に物狂いで避けた。
「なにをしてる。同じように攻撃して相殺しろ」
(いや失敗したら死ぬんですが!)
どうやらレオンハルト的にこの攻撃は見本を見せているつもりらしい。
(なにをしてるじゃない!)
貴方のほうこそ一体『なにをしている!』と言いたい。
(言えないけど!)
また衝撃波が放たれた。ミモザが隠れていた岩がチーズのように真っ二つになる。
ミモザがあちこちの木や岩を盾にしたせいで周囲は大惨事だ。
(まずい……っ)
遮蔽物が破壊され尽くし、盾にするものがなくなった。
レオンハルトが犬歯を剥き出しにしてにぃ、と笑うポリ ペプチド。
「さぁ、防いでみせろ!」
(死ぬ)
ひやりと冷たいものが体に走る。その時ミモザの身のうちに湧き上がってきたのはどうしてこんな目に合うのかというレオンハルトに対する理不尽な怒りだ。
学校でいじめられている時も感じていた。もう傷つきたくない。傷つけられたくない。もう誰にも傷つけられるのはーー、
「いやだっ!!」
その瞬間、一気に膜のような何かがミモザの周りに広がり、レオンハルトの斬撃を防いだ。
「……え?」
手の中からメイスが消えている。目の前には棘が何本も突き出た半球状の透明な壁が広がっていた。
「防御形態か。なかなか硬そうだな」
近づいてきたレオンハルトがそれを剣でガンガンと強度を確かめるように叩く。
「防御形態……」
亜鉛パッと思わずメモ帳を取り出して確認する。確かゲームの中でミモザが使っていたものだ。メモには正式名称がわからないので見た目から『ウニの盾』と書いていた。とりあえず使うことが出来たのでチェックをつける。
「なんだそれは?」
「……っ!」
ミモザのメモ帳をレオンハルトは興味深そうに覗き見ていた。驚いている隙にメモ帳を取り上げられる。
「あっ、それは、なんというか、こういうのが出来たらいいなーっていうやつで!」
「ほぅ?」
しげしげと内容を検分して、「よくできているな」と彼は頷いた。
「基本を抑えているし、どれも実現可能そうなものばかりだ」
「いやー、ははは……」
そりゃそうだ。
どれもゲームの中の『ミモザ』が使っていた技なのだから。
「印がついているのはもう出来ているものかな?」
「はい」
ふむ、とレオンハルトは一つ頷くと「よくわかった」と言ってミモザにメモ帳を返した。
(何がわかったんだろう)
嫌な予感がする。猛烈に。
「まずは防御形dha epa態のおさらいをしよう。一度できたからと言って満足してはいけない。いつでも自分の意思でできるようにならなければな」
言っていることはごもっともだ。ミモザは頷いた。
「それからメモに書かれていた他の技に関しても可能になるよう協力しよう。ようはその技を出さねばならない状況に追い込めばいいんだ」
その発言にはミモザは首をぶんぶんと横に振った。次に起きることの予想がついたからだ。
しかし事態はミモザの予想を裏切った。悪い方向に。
レオンハルトは笑顔でミモザのことをがしっと掴むと両足に縄を巻き始めた。
「あのー、これは……」
「先ほどので君は追い詰められれば本領を発揮できるということが実証された。しかしちょこまかと逃げ回られると面倒だからな。動けないようにしよう」
そのまま剣を地面へと打ち付ける。一瞬で地面にぼこっと穴が開いた。煙がたっているところを見るに、おそらく蒸発したようだ。
そこに縄で結えた両足ごと下半身を入れられて埋められた。
「あの、ご慈悲をいただけないでしょうか?」
一応聞いてみた。
「これが俺の慈悲だとも」
笑顔で返された。聖亜鉛の効果騎士というより魔王の笑みに見えた。
。亜鉛 サプリ おすすめサプリメント マカ亜鉛
「省エネだな」 ポリ ペプチド
「省エネだな」
訓練の途中、レオンハルマカ サプリトはそうつぶやいた。
「え?」
「君の戦サプリメント マカい方のことだ」
おそらく休憩に入るつもりなのだろう。構えていた剣を下ろし、彼は軽く汗を拭う。
「君の使う技はどれも形態変化だ。衝撃波についても俺は斬撃を形にして飛ばすのに対し、君は触れたものに衝亜鉛 サプリ おすすめ撃波を叩き込むスタイルだろう」
それを見てミモザはその場に座り込む。正直もうへとへとで立っているのがキツかったのだ。
そんなミモザを彼は見下ろした。
「君の攻撃はことごとく何も作り出さない」
「……はぁ」
ディスられているのだろうか、とも一瞬思ったが、声のトーンと態度からおそらく違うのだろう。彼亜鉛の効果の瞳に映る感情は、感心だ。
「無から有を生み出すのと、すでにあるものを利用するの、どちらがよりエネルギーを消費するかなど言わなくてもわかるだろう?3時間ほど打ち合っているが、君の魔力はあまりにも減っていない」
「それはレオン様も……」
特に魔力切れを起こしている気配はない。MP量の見えないミモザではわからないが、まだまだ余裕そうに見える。そんなミモザを師匠はじっとりと睨んだ。
「俺はペース配分をしている。しかし君は何も考えず全力で打っているだろう」
「……うポリ ペプチドっ」
図星だ。ぐうの音もでない。
「…にも関わらず、MP量を見てもいつまでもゆとりがある。君の元々の魔力量はそこまで多いわけではないにも関わらず、だ」
当たり前のように金の祝福を授かっているレオンハルトである。
「つまり君の攻撃は使用するMP量が極端に少ない。おそらく1~2程度しか使っていないんじゃないか」
「……はぁ」
褒められているのはなんとなくわかるが、わからない。それはそれだけ一撃に威力がないということと同義ではないだろうか。
「つまり君は人よりも長く戦える。持久戦が君の強みだ。一撃で倒す威力はないが、じわじわと相手の体力と魔力を削って疲労したところでとどめを刺せ」
そこで悪巧みをするようにレオンハルトはにんまりと笑った。
「まぁ、君ゴーヤ自身がへばらないように、それに耐えられるだけの体力と筋力をつけなくてはな」
*
「おかしい、なぜだ」
ロランはぜいぜいと肩で息をしながらぼやいた。
それを見て、ああ魔力と体力が尽きてきたのだな、とミモザは悟る。
「なぜ魔力が尽きない!小娘!!」
「……僕マッチョなんで、こう見えて体力が、」
「肉体の問題じゃない!魔力だ!こんなに長時間戦って、常人の魔力が持つはずがっ……!!」
うーん、とミモザはうなる。なんて言おうか考えて、結局シンプルに言った。
「僕、持久戦が得意なんです」
というより、それ以外得意なものがない。
ロランはこちらを睨んでいる。その足元のおぼつかなさを見て、ミモザはふふ、と笑った。
どうやら仕込んだ毒もうまく回ってきたようだ。
ミモザが唯一目覚めた属性攻撃、それは『毒』だった。
しかしそれは前述した通り強力なものではない。せいぜいが身体が少しだるくなる程度のものだ。それも4~5時間で治っマカてしまう。
(でも充分だ)
長期戦で相手を疲労させて戦うスタイルのミモザにとって、わずかでも弱らせやすくするその属性は決定打にはならないが相性がいい。少しでも相手の判断能力や体力を下げられれば儲けものである。
ちなみに毒を仕込んだのは最初の一撃目。ロランの目元をかすった時である。ゲームのミモザは毒を空気中に放出していたが、その方法では明らかにMPを食うため棘から注入する方式へと訓練で切り替えていた。すべてミモザの長所を活かすためである。
「これから、貴方にはへとへとに疲弊していただきます」
ミモザは言う。
「何時間でも何日でも何週間でも何ヶ月でも、戦い続けられるように僕は修練をつんできました。貴方はここから逃げることもできず、勝つこともできない。疲れ果てたままここで戦い続け、そして…」
ミモザの仕事はここまでだ。仕込みは上々、舞台は整えた。
ここで敵を倒すべきはミモザではない。のちのちの事後対応を考えれば、彼を倒すのはわかりやすい皆の『英雄』であるべきだ。
「最後は、聖騎士レオンハルト様に倒されるのです」
その時ロランの背後に人影が現れた。ロランがギョッとしたように亜鉛飛び退く。
「待たせたな、ミモザ。状況は?」
そこには英雄の姿があった。
豊かに流れる藍色の髪に意志の強い黄金の瞳、そして堂々たる体躯の英雄の姿が。
ミモザはうやうやしく頭を下げる。
「彼が保護研究会の一員で、被害者遺族の会の方々を殺そうと企んでいたようです」
「……そうか。どうやら俺の可愛い弟子にしてやられたようだな、ご老人」
槍を構える老人の異様に疲れた様子を見て、レオンハルトは悪辣に笑った。
「この子はなかなかいい仕事をするだろう」
「おのれ、レオンハルトオオオォォォッ!!」
ロランの槍から稲妻が走る。レオンハルトはそれを炎で迎え撃ち、そして、
視界が真っ白に染まった。
。ゴーヤdha epaゴーヤ チャンプルー
それは修行アントシアニンの効果
それは修行後のお茶の時間ゴーヤ チャンプルーが常習化し、ミモザがレオンハdhaルトのことを愛称で呼ぶことが許されるようになった頃に起こった。
「あ、」
「どうした?」
問いかけるレオンハルトにミモザは困った顔をする。
「ランチボックスを忘れてきました」
時刻はちょうどお昼時である。昼食の時間をまたぐ亜鉛 サプリことがあらかじめわかっていたため用意していたのに、その肝心のランチボックスを丸ごと家に置いてきてしまったのだ。
「仕方がないな。今日は適当にどこかで買うか、外食でもするか」
頭を掻きながらレオンハルトは提案する。以前の彼ならここは「なら帰るか」となりそうな流れだが、習慣を変えたくない性質なのか、それともミモザとのお茶会アントシアニンもとい食事会にそれなりに意味を見出しているのか判断に悩むところだ。
「いいですよ、すぐに取ってきます。せっかく作ったのにもったいないですし、それに……」
「それに?」
ミモザは気まずそうに目をそらした。
「この村、田舎なので外食する店ないです」
悲しい事実だった。しかしレオンハルトは気に留めた風もなく「王都に行けばいいだろう」などと軽く言う。
「いや、遠いじゃないですか」
「レーヴェに乗っていけば1時間てところだな」
「え?」
思わず驚いてレーヴェを見る。彼は自慢げに胸をそらし、翼を広げてみせた。
「ポリ ペプチド近くないですか?確か半日ほどかかると思っていたのですが」
「それは街道を通った場合だな」
「……そんなに差がでるんですか?」
「まずこの村から主要な街道に出るまでに10時間ほどかかる」
「………」
「そこから街道を4時間と言ったところか」
「なんでそんなに街道まで遠いんですか」
「この村に何も特産品も需要もないからだな」
そのレオンハルトの返答にミモザはうっ、と言葉に詰まる。
「世知辛い話ですね」
結局それしか言葉を絞り出せなかった。
「まぁ、街道一本通すのに莫大な資金と人手がいるからな。必要のない村を通すより王都に有益な場所を経由するように道を作るのは当然だろう」
「世知辛い話ですねぇ」
そして無情だ。
どこの世界でも需要の少なアントシアニンい田舎は冷遇されがちらしい。
「まぁ、でも取ってきますよ。僕の家まで1時間かからないので」
立ち上がりかけたレオンハルトを制してミモザは「すぐ戻るので待っていてください」とお願いした。
母や姉とレオンハルトが鉢合わせると厄介だからである。
*
「はぁっはぁっはぁっ」
ミモザは息を切らして走っていた。手には先ほど家から持ってきたランチボックスを抱えている。そのせいでいつもよりも走る速度は落ちていた。
「おい、待てよ!ミモザ!!」
背後から石が飛んできてミモザの頭に当たる。大した大きさではないが、勢いがあり普通に痛い。
バタバタと4人分の足音がずっと背後をついてきている。
「てめぇ!ふざけんなよ!逃げるな!!」
いきりたって怒鳴っているのは当然、アベルであった。
家にランチボックスを取りに行くところまでは良かった。母はまだ帰っていないのかミモザが用意した母親の分のサンドイッチはまだ冷蔵庫の中に残されていた。ミモザはその隣に置かれたランチボッマカ と はクスを持って外へと出た。
そして出会ってしまったのである。
下校途中のアベルとその取り巻き3人に。
(迂闊だった)
ミモザは不登校になってから徹底的に姉やアベル達と生活サイクルを変えて生活している。
学校の授業が始まる時間に起き出し、授業中に外出を済まし、下校以降は家の外には出ない。
すべてはこの狭い村でアベル達にうっかり鉢合わせないためである。
しかし失念していたのだ。
もうすぐ秋休みだったということを。
秋は実りの季節である。そしてこのような田舎の村では子どもも立派な戦力だ。そのため小麦や稲を植える時期と収穫の時期は学校は長期休みに入る。手伝いをするためだ。そして秋休みに入る前日は午前授業となる。
今日がその午前授業の日だった。
そしてミモザは追いかけられる羽目になったのだ。
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